○阿波っ子条例

令和4年3月2日

条例第5号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 子どもが大切にされること(第4条)

第3章 大人の役割(第5条―第9条)

第4章 市の責務等(第10条―第16条)

第5章 人権教育の推進(第17条)

附則

未来をつくる子どもたちは、ひとりひとりが阿波市の宝で、かけがえのない存在です。

私たち大人は、子どもたちが家族や友人、地域の深い愛情に包まれて育ち、夢をかなえ、社会の一員として、将来に向かって羽ばたいてほしいと願っています。

今後、社会がどのように変化しても、子どもたちが地域に愛着と誇りを持ち、心身ともに健やかに成長できるまちづくりを進めることが、私たちの責務です。

「子育てするなら阿波市」を合言葉に、子育て支援の更なる充実に阿波市全体で取り組み、「阿波っ子が 元気いっぱい 笑顔でそだつ まちづくり」の実現に向けて、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、子ども・子育て支援についての基本理念を定め、子どもが大切にされること並びに保護者、学校等、地域住民、地域団体及び事業者の役割並びに市の責務等の子ども・子育て支援を総合的に推進していくための基本的事項を明らかにすることにより、安心して子どもを産み育てることができる環境を整え、子どもが健やかに成長できる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 子ども 18歳未満の者その他これらの者と同等と認めることが適当である者をいう。

(2) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子どもを現に監護する者をいう。

(3) 学校等 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、認定こども園、放課後児童クラブ、障害児支援施設その他これらに類する機関をいう。

(4) 地域住民 市内に住所を有する者、市内に通勤又は通学する者、事業者及び地域団体に属する者をいう。

(5) 地域団体 自治会、校区コミュニティ、市民活動団体その他地域で活動する団体をいう。

(6) 事業者 市内で事業を営む個人又は団体(地域団体を除く。)をいう。

(7) 子どもの問題 児童虐待、いじめ、子どもの貧困その他子どもに関する問題をいう。

(基本理念)

第3条 子ども・子育て支援は、次に掲げる事項を基本理念として推進するものとする。

(1) 市は、「阿波っ子が 元気いっぱい 笑顔でそだつ まちづくり」を掲げ、子どもの健やかな成長及び自立を図ること並びに児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子どもの権利を尊重すること。

(2) 保護者、学校等、地域住民、地域団体、事業者及び市は、共働で子ども・子育て支援に取り組むこと。

(3) 市は、誰もが安心して子どもを産み育てることができ、子どもが生きる力を養い、健やかに元気で成長することができる環境の整備に取り組むこと。

第2章 子どもが大切にされること

(子どもの権利)

第4条 子どもは、その年齢や成長に応じて、次に掲げる事項について大切にされるものとする。

(1) 安心安全に笑顔で生きること。

(2) 遊んだり、学んだり、元気いっぱい生きること。

(3) 夢に向かって、自分の持っている力を発揮することができること。

(4) 家庭や学校等、地域等のあらゆる場で、自分の意見を言うことができること。

第3章 大人の役割

(保護者の役割)

第5条 保護者は、自らが子育てにおいて最も重要な責任を担うことを自覚し、子どもの健やかで豊かな人間性を育むよう努めるものとする。

2 保護者は、子どもが自らを大切にする心を持ち、基本的な生活習慣及び規範意識を身に付けることができるよう、愛情を持って育てるよう努めるものとする。

3 保護者は、子どもと地域との関わりが子どもの健やかな成長に資することに鑑み、子どもが地域と関わる機会を提供するよう努めるものとする。

(学校等の役割)

第6条 学校等は、子どもの健やかな成長のため、その発達及び年齢に応じた学びの場としての環境を整え、教育の充実に努めなければならない。

2 学校等は、学校等相互に、並びに保護者、地域住民、地域団体及び事業者と協力し、子どもが生きる力を身に付けることができるような教育環境づくりに努めなければならない。

3 学校等は、子どもの問題の未然防止、早期の発見及び対応に努めなければならない。

(地域住民の役割)

第7条 地域住民は、子ども・子育て支援への理解を深め、子どもを見守り、子育て家庭の支援に努めるものとする。

2 地域住民は、自らの言動が子どもに与える影響の大きさを自覚し、子どもの模範となるよう努めるものとする。

3 地域住民は、子どもの問題に関心を持ち、その予防に努めるものとする。

4 地域住民は、特別な支援が必要な子どもへの理解を深めるよう努めるものとする。

5 地域住民は、学校等、地域団体、事業者及び市が行う子ども・子育て支援についての取組に協力するよう努めるものとする。

(地域団体の役割)

第8条 地域団体は、保護者から子ども又は子育てについての相談があったときは、その相談に応じ、助言、関係機関の情報提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

2 地域団体は、地域住民が自主的に行う子ども・子育て支援のための取組に協力するよう努めるものとする。

3 地域団体は、子どもが豊かな心、生きる力及び社会性を養うための体験活動及び知識習得等の機会を提供するよう努めるものとする。

4 地域団体は、子ども・子育て支援において相互に連携するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第9条 事業者は、子育てにおける保護者の役割を理解し、仕事と子育てとを両立することができるよう、育児休暇取得等労働環境の整備に努めるものとする。

第4章 市の責務等

(計画の推進)

第10条 市は、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)第61条に基づき策定した「阿波市子ども・子育て支援事業計画」の子育て支援を総合的に推進しなければならない。

(連携体制の構築)

第11条 市は、子どもの権利、安全及び健やかな成長が守られるよう、学校等その他子ども・子育てに関わる機関に係る連携体制の構築に努めなければならない。

(機会等の提供)

第12条 市は、子どもの体験活動及び知識習得等の機会の提供に努めなければならない。

2 市は、子どもの居場所の提供に努めなければならない。

3 市は、保護者に対し、子育てに関する知識習得の機会及び子育てに関する情報の提供に努めなければならない。

4 市は、保護者同士の交流の機会の提供に努めなければならない。

5 市は、子どもの問題及び子育てに関する相談の機会の提供に努めなければならない。

(施設の充実等)

第13条 市は、子どもが利用する施設の充実及び子ども・子育て支援に関する人材育成に努めなければならない。

(安全対策)

第14条 市は、関係機関と協力して犯罪、交通事故その他子どもの安全を阻害することについての対策を講ずるよう努めなければならない。

(啓発)

第15条 市は、子どもが保護者と豊かな家庭生活を送ることができるよう、保護者、学校等、地域住民、地域団体及び事業者の役割について啓発に努めなければならない。

(児童虐待への対応)

第16条 市は、児童虐待の発生予防、早期の発見及び対応のために、支援体制の充実に向けた取組を推進しなければならない。

2 市は、学校等、地域住民、地域団体及び事業者その他関係機関から提供された児童虐待の情報に適切に対応するものとする。

3 市は、虐待を受けた子どもに適切な支援を行うよう努めなければならない。

第5章 人権教育の推進

(人権教育)

第17条 市は、子どもの人権を尊重する心を育むため、幼児期からの継続した人権教育を推進しなければならない。

2 学校等は、子どもの人権感覚を養い、人権意識を高揚させるため、その発達及び年齢に応じた人権教育に取り組まなければならない。

3 学校等は、人権教育に関する教職員の研修に取り組まなければならない。

4 地域住民は、子どもの人権を尊重する心を育むため、子どもの模範となるよう努めるものとする。

この条例は、令和4年4月1日から施行する。

阿波っ子条例

令和4年3月2日 条例第5号

(令和4年4月1日施行)